大阪 インプラントの管理方法
が、気管壁などを作っている細胞はすでに分裂を終えた細胞であるため、レトロウイルスはほとんど役に立ってくれない。
そこで目をつけたのが、アデノウイルスという、呼吸器系に感染してカゼの症状を起こさせるウイルスである。
ウイルスはそれぞれ、感染する生物の種類や部位に「好み」があるのだが、このアデノウイルスは呼吸器の細胞に感染する能力をもっている。
これを改造して増殖力をなくしたあと、雲胞性線維症の原因遺伝子であるCFTR遺伝子を組み込む。
そして、患者の気管などに直接投与するという方法が実現した。
動物実験で成果が得られ、人間の臨床応用にたいしてNIHがゴーサインを出したのは、93年のことだった。
現在では数グループの医師たちによって、数十人の患者にたいする臨床実験が行われているという。
このようにしてアデノウイルスを改造したベクターが開発されてみると戸他の臓器への感染力も強く、レトロウイルスとはまた別の能力をもつベクターとしての期待が大きくなっていった。
たとえば、体中の筋肉が次第に委縮する筋ジストロフィーの治療に関係する動物実験に使われて成績を残したり、神経系の細胞にたいするベクターとして有力だという研究が脚光を浴びている。
これまで、異なる病気であるため共通の治療技術など考えられなかった分野にまで、遺伝子治療の技術は応用されていったのである。
免疫療法への応用ところで、がん研究振興財団の推計によると、2015年には日本のガン患者数は45万人を超えるといわれる。
日本人の死亡原因のトップを占めているこの病気の治療については、どのような研究が進んでいるのだろうか。
ガンが発生するメカニズムのなかには、多くの種類の遺伝子異常が関係しているのがわかってきている。
本来なら必要なときだけ分裂・増殖してヒトの臓器などを作る細胞が、無原則に増殖し続けるのがガンの特徴だから、原因としてはさまざまなレベルで細胞の分裂や増殖をコントロールする遺伝子の不調が考えられる。
たとえば、呼ばれる遺伝子をガン細胞に入れたら普通の細胞に戻った、つまりガン抑制遺伝子であるという報告がある。
また、ガン化した細胞だけが作り出す特殊なタンパク質の製造原因を追っていくと、ある遺伝子が働いていることから、これをガン遺伝子に分類するという研究も盛んだ。
このようにガン関連遺伝子は多数見つかっているのだが、しかしながら、いまのところ「この遺伝子さえ抑え込めば」または「この遺伝子さえ働いてくれたら」ガンにならずにすむ、とまでいえる遺伝子はわかっていない。
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